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首にあるツボ、安全に刺すためには?

こんにちは、鍼灸科のです。

今回は、経穴認知班から
頸部経穴の内部の可視化及び3Dモデルの製作(第3報)
椎骨動脈に対する危険深度の立体的認識

で発表をしました、小川先生にお話しを聞きます。

首には何センチまで鍼を刺していいですか? 

:今回の研究の内容はどのようなものですか?

首には何センチまで鍼を刺していいですか?

小川先生:このタイトルの質問は、常によくされる質問なのですが…
何センチまで大丈夫か」というのはとても慎重にならないといけないのです。

今回の研究では
そのあたりの疑問に答えるべく、2名分のデータを取得して
3Dの画像を作って、目で見て首の中の構造をイメージしやすくしました。

※首でよく使われるツボとして、今回は首の後ろにある天柱(てんちゅう)風池(ふうち)というツボを調べてみました。

:データのうち一人は私でしたね。MRI画像を撮って、データをもらいましたね!

小川先生:そのデータから↑の3Dモデルをつくりました。
これは実際の構造の位置をグルグル回して確認できます。

ここで注目しているのは画像の中の赤い部分、「椎骨動脈」です。

:脊髄などよりも浅い位置に来ている太い血管ですね。

小川先生:ツボからこの血管まで、およそどれぐらいの深さで
どの角度に鍼を向けると当たってしまうのか。

体格の差を考慮するのは当然ですが
さらにイメージしやすくなればいいなという思いで3Dの作成を続けています。

よく使うツボから中をのぞく

:私の首の中はどんな感じでしょうか?

小川先生:例えば、風池というツボからまっすぐ最短距離で測ると
約32㎜で椎骨動脈に到達するという結果でした。

こちらは断面図です。

:筋肉にはもっと浅い距離で当たるんですね。

小川先生:そうです。
さらに、指で押したりしていない状態で、この深さということです。

指で圧をかけながら鍼をすると、もっと浅くなる可能性に注意が必要です。

吉田先生:このあたりについては吉田の研究に関係するので
ぜひこちらをご覧ください

小川先生:そしてもう1人の被験者は約43㎜で椎骨動脈に達するという結果です。
32㎜と43㎜では刺す深さがかなり変わってきますね。

小川先生:こちらはもう一つのツボ
天柱からの刺鍼角度についての3D画像です。

水平に刺した場合と、目に向けた方向で刺した場合を比べました。

:天柱はよく「目の方向に向けて刺すとよい」と言われます。
青い点線の斜めになっているほうです。

その角度で計測、透過してみたのですね。

小川先生:そうです。同側の内眼角の方向です。

結果は、2名とも目の方向に向けた場合
まっすぐの時よりも距離が短くなりました。

つまり、今回の2名はやや斜め上に向けるという一般的な方法のほうが
動脈に到達しやすいという結果でした。

立体感をつかみたい

:ひとりひとり体格も筋肉の厚みも違いますから
身体の構造をよくとらえて、安全に刺鍼したいですね。

小川先生:こちらは以前作製した3Dの模型です。

小川先生:これは腰の骨と一部の筋肉です。
よく見れば左右でも筋の形や大きさに大きな違いがあります。

:身体の使い方のクセや、右と左の筋の厚み、ねじれも考慮して
安全な刺鍼を構築していく必要がありますね。

:今回の首の3Dも、模型として作製できるといいですね。

小川先生:そうですね!

次回は首より少し下に下がって、肺のまわりの立体構造を調べる予定です。
楽しみです

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