先生コラム

臨床技術研修講座(6月開催報告)

こんにちは、鍼灸科の橘です🍊

5月よりスタートした2025臨床技術修講座。


6月も
岡田明三先生の経絡治療をはじめに
向野義人先生のMテスト
粕谷大智先生の慢性疲労・疼痛に対する鍼灸 の
3回開催しましたので、ご報告です。

第4回目は
長年にわたり経絡治療を実践・指導されている
岡田明三先生による講義と実技が行われました。

岡田先生は経絡治療学会の会長でいらっしゃいます。
経絡治療学会が主催する夏期大学、関東支部、
そして明鍼会は私も学生の時にお世話になりました。

毎年在校生もたくさん参加させていただいています。

講義パートでは
患者さんとのコミュニケーション方法についてかなり幅広くお話いただきました。

問診ではたくさんの情報を引き出す必要がありますし
「お話を聞いてもらいたい」
「悩みを聞いてくれたらうれしい」
そんな施術者になれたらいいな、と私も思いました。

実技パートでは
皮膚の色や張り
顔色などを確認し、脈を診て
それらをどのように解釈するかを説明しながら進めていました。

岡田先生の治療は
銀鍼を用いた繊細で的確な操作が印象的でした。

第5回目、

福岡大学 名誉教授、向野義人(むかいのよしと)先生によります
Mテストの講義がありました。

Mテストとは、
先生のお名前のイニシャルでもありますが、Meridian TestのMでもあり、
Motion-induced somatic response Testとも呼んでいたのでそのMでもあるのです。

体にある経穴(ツボ)とそのつながりである経絡に運動負荷をかけて、
バランスの崩れている経絡を判断できるテスト法です。 

経絡の流れを考慮した経穴検索でした。

卒業生のみなさん、
記憶をたどり、かつて覚えた経絡の流れとそのルート上の重要な経穴を使い、
実際に患者さんの動きが変わるのを感じてくれていました。

経穴を覚える重要性と、その応用に改めて気が付きました。

実際に向野先生による治療で
脚の重さが変わることも体験できました。

「慢性疲労・疼痛に対する顔面・頭部の鍼灸・手技療法~ツボ刺激で疲れは取れる
脳内麻薬オピオイド~」というテーマで

新潟医療福祉大学リハビリテーション学部鍼灸健康学科教授の
粕谷大智先生に講義をしていただきました。

現代人は
頭痛や肩こり、腰痛、倦怠感など
色々な症状を慢性的に抱えています。

そうした「つかれた~あ~しんど~」という
慢性疲労の症状に対して鍼灸で何ができるのか。

最新の知見をもとに、わかりやすく解説していただきました。

実技パートでは

①自律神経の活動を正常化させるために、太衝、足三里、合谷に鍼をして

②三叉神経や頭部の刺激による脳機能の改善を図るため、頭維に低周波鍼通電をしていました。

特に「頭維」への低周波鍼通電では
参加された先生方から次のような声が上がりました。

「もともと鍼通電は少し苦手なんですが、これは“頭皮全体がしゅわしゅわする感じ”で、
不快感がありませんでした」

この体験を可能にしたのは
粕谷先生が使用したセイリン社の低周波治療器「ピコリナ」です。

この機器は
0.2Hzから100Hzの範囲で刺激頻度をなめらかに変化させられるのが特徴で
パルス幅(1回の電気刺激の長さ)も50 μs~250 μsで自由に調整可能です。

そのため
電気刺激に敏感な方や初心者にも心地よく感じられるように
マイルドな設定にすることができます。

全10回の本講座は
それぞれの先生が実践的な内容で講義を考えてくださっています。

卒業生の皆さん‼
ぜひこのような貴重な機会を活用してください。

今年度も途中からの参加も可能です!

今後の詳細はこちらに

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