教職員が
皆さんにおすすめする本を紹介するコーナーの第4弾。
今回は4月に入職しました事務局の岡田が
垣内景子さんの『朱子学入門』を紹介します。

この本との出会い
大学時代、朱子学の授業を履修したことがあったので、
そのときに参考として購入したものだと思います。
あらすじ
「朱子学」と聞いてすぐに内容を思い浮かべられる人は、
案外少ないのではないでしょうか。
本書は、単なる封建的な道徳として
片付けられがちな朱子学を、
「心の問題を解決し、より安らかに生きるための思想」
として再発見し、
その豊かな内面世界に読者をいざないます。
学問としての深みを保ちながらも難解にならず、
当時の中国の時代背景や、
儒教と仏教の緊張関係、
「理」と「気」といった
東洋思想の核心的な概念を丁寧に解説。
さらに日本における受容の問題や、
朱熹という人物の人間性にも焦点を当てつつ、
私たち自身の生き方を
見つめ直す視点を提供してくれる一冊です。

おすすめのポイント
point1👉東洋思想に親しみやすく触れられる
「気」や「理」など、
日常的にも使われる漢語の背景にある哲学を、
現代の感覚に照らしてわかりやすく解説。
東洋医学や自然哲学に関心がある方にも響く内容です。
point2👉「心」と「自由」をめぐる問いへの導き
ただ実用的な答えを与えるのではなく、
「私たちは自由にものを考えているのか?」という
根源的な問いを通して読者の思索を促します。
point3👉学ぶこと、生きることへの静かな励まし
変化や不安の多い時代にあって、「学ぶ者」として生きる朱熹の姿勢は、安定だけを求めない生き方へのヒントを与えてくれるでしょう。
難解そうでいて、意外なほど現代的な問いとつながる朱子学。
その世界に足を踏み入れてみたくなる一冊です。